自民党会合であいさつする萩生田光一氏=7月、石川県加賀市

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、受領した約2千万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、東京地検特捜部が政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で萩生田光一衆院議員=東京24区=の政策秘書を略式起訴する方針を固めたことが3日、関係者への取材で分かった。東京第5検察審査会の「起訴相当」議決を受け当初の不起訴の判断を覆す。

 一連の裏金事件で検審の議決を受け、刑事責任を問う方向に転じるのは初めて。萩生田氏自身に対する捜査は既に終結しているが、政策秘書が立件されれば改めて説明責任を問われる可能性がある。

 略式起訴は、検察が罰金を科すよう求める手続きで、裁判所は書面だけで審理する。秘書の同意が得られなければ、公開法廷での審理を求め在宅起訴する見通し。

 東京第5検審は6月の議決で秘書の常習性や領収書廃棄といった証拠隠滅行為を指摘し、悪質性が高いと判断。「このような事案を起訴猶予にし続ければ、いつまでたっても虚偽記載はなくならない」と述べた。