日本兵や沖縄戦体験者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関するシンポジウムが3日、那覇市で開かれた。戦争を生き抜いても精神がむしばまれ、深刻なトラウマが家族や周囲に世代を超えて影響し続ける実態の報告に、約280人が耳を傾けた。
「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」の黒井秋夫代表(76)は、父が日本陸軍兵で中国戦線に赴いた。「朝から晩まで話もせず、子どもに愛情表現もしない。頭をなでられたこともなかった」と話した。
「今を生きている世代の家族の誰かは戦争を体験し、生き残った。私を含め、皆さんが戦争に何らかの形で影響を受けている。暴力の連鎖をどこかで断ち切らないといけない」と訴えた。