自民党旧安倍派の要だった萩生田光一氏の政策秘書が3日、立件される見通しとなった。裏金事件が再燃すれば、参院選大敗の要因は旧安倍派にもあるとする党内の不満を増幅しかねず、萩生田氏らによる「石破降ろし」にも影響を与える可能性がある。

 「驚くことに開票の途中で続投を宣言した」。萩生田氏は、参院選直後の7月25日に配信したメールマガジンで、続投を表明した石破茂首相を批判した。「政治家の出処進退は自分で決める。自民党の伝統は首相も共有していると信じている」ともけん制した。

 関連政治団体の政治資金収支報告書への不記載が、党内で上位に入る2728万円に上った萩生田氏は昨秋の衆院選で公認を外された。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係もたびたび指摘され防戦一方となったが、薄氷の勝利を収めた。

 復権の足掛かりとすべく今年6月の東京都議選、続く参院選で自民候補の応援に注力した。石破首相とはもともと距離があるとされる。

 秘書の立件が萩生田氏や他の旧安倍派幹部にどう影響するか注目される。