埼玉県行田市で下水管の点検中、男性作業員4人がマンホールに転落し死亡した事故で、行田市は4日、点検業務を委託した下水道調査会社「三栄管理興業」(さいたま市)が転落防止のため、保護具の使用を確約する業務計画書を6月に行田市へ提出していたと明らかにした。実際には4人とも転落時、保護具を装着していなかった。埼玉県警は安全管理に問題がなかったかどうかを含め、当時の状況を捜査している。
県警は同日、司法解剖の結果、4人の死因について硫化水素中毒や吐いた物による窒息の可能性が高いと明らかにした。
行田市に提出された業務計画書では、硫化水素の濃度を測定し、安全を確認してから作業を実施することも約束。同社によると、現場で別の作業員が4人の転落を確認した際、検知器は、国の基準値(10ppm以下)の15倍以上を示していた。市は労災を防ぐための法令に基づき、作業中に酸素を送るマスクの着用を求めていたが、現場には準備されていなかった。
県警によると、亡くなったのは行田市の本間洋行さん(53)らいずれも50代の男性社員4人。