開幕から13日で4カ月となった大阪・関西万博は、食が大きなテーマの一つだ。環境や健康への配慮、農業の担い手不足といった課題に対応した新技術が勢ぞろいし、実際に会場で食べられるものも。未来を味覚で感じることができ、来場者の増加が見込まれる終盤は一段と関心を集めそうだ。

 大阪ヘルスケアパビリオンでは、牛の肉塊から細胞を摘出し、培養して増やす「培養肉」を展示した。3Dプリンターで形成し、自分好みの霜降り具合に調整できるという。世界人口の増加に伴うタンパク質の供給不足解消を目指す。

 放送作家小山薫堂さんが食をテーマに手がけた「EARTH MART」は野菜や肉を凍結粉砕し、長期保存できるようにしたパウダーが目を引く。パウダーをベースにコメの形にした「再生米」が新たな食文化を生み出す可能性を紹介した。

 未来の都市パビリオンでクボタは無人運転で農作業を効率化するロボットを披露した。作物や作業内容に応じて車体の高さや幅が変形し、1台で多くの用途に対応する。