低く強い打球の徹底で挙げた得点を2年生エース柴田蒼亮が粘り強く守り切った。第107回全国高校野球選手権第10日は15日、甲子園で2回戦4試合を行い、県岐阜商は東海大熊本星翔に4―3で競り勝って、ベスト4になった2009年以来のベスト16に進出した。初戦から見事に修正を図り、豊富な球種で粘りぬいたエースだが、思わぬ失点は、意外な〝敵〟との戦いがあった。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
◆サインが見えない中、粘り強く投げた2年生エース

初戦3失点完投だが、持ち味の切れのいいストレートが浮き気味で、伝家の宝刀のスライダー、新たな武器カットボールのさえで切り抜けた柴田。
「対応力、修正能力が高い」と藤井潤作監督、上畑将部長はじめスタッフが口をそろえる柴田。1回戦の日大山形戦後、球の回転を意識して丁寧に投げることを軸に瞬発系のトレーニングに徹した。立ち上がりから、その修正の成果を大舞台で見せつける。
時折、高く浮く球はあったものの総じて、低目に制球されたストレートで押しまくり、四回まで無安打。ただ、四球が五つあり、しかも二回を除き、先頭を四球出塁。三回裏には、四球出塁させた1番福島陽奈汰を内野ゴロで三塁へ進められ、自らの暴投で先制点を与えてしまった。
「サインミスだった」と打ち明ける捕手小鎗稜也。だが、そのサインミスの要因となったのが、...