一灯点滅式信号機(福岡県警提供)

 赤か黄の一つの信号が点滅する「一灯点滅式信号機」の撤去が進んでいる。1980年代、住宅街の狭い道路を中心に設置されたが、不慣れなドライバーはどう通行すればよいか戸惑う上、災害時などの停電対策の面から、標識に置き換えられている。2015年度末の約6千基から、24年度末には半数以下の2351基まで減った。

 「赤色点滅は一時停止、黄色は注意して進む」。84年12月、福岡市南区に全国初の点滅信号が導入された。住宅街などの幅が狭く、スペース的に青・黄・赤の信号の設置が難しい交差点でも、優先関係を明確にすることで、出合い頭の事故を減らす狙いがあった。

 福岡県警によると、県内では84年度から3年間、毎年約100基ずつ設置。最大時には1600基超に上った。

 だが11年の東日本大震災などを契機に、停電で信号が消えることへの懸念が強まった。停電時、警察官は主要道路の交通整理を優先するため、点滅信号がある小さな道路は放置され、事故のリスクが高まる。一方で交通インフラの維持費削減も迫られている。