今夏躍進の二つのキーワード〝緩急〟と〝低く強い打球〟で69年ぶり5度目の夏の甲子園決勝だ―。第107回全国高校野球選手権第14日は21日、甲子園で準決勝が行われ、県岐阜商は第1試合で日大三(西東京)と対戦する。勝てば、同校だけでなく岐阜県勢としても69年ぶりの夏の決勝進出。1大会5勝は優勝した1936年の岐阜商と並ぶ岐阜県史上1位タイ記録。夏通算は44勝となり、歴代単独8位、春夏通算は92勝目(歴代4位)。県岐阜商ナインは20日、兵庫県西宮市の津門中央公園野球場で2時間の練習に臨み、準決勝に備えた。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

◆左腕渡辺大、エースの右腕柴田とも〝緩急〟で強打線封じだ
日大三と言えば、全国屈指の強打がまず思い浮かぶ。夏の甲子園初戦の2回戦こそ豊橋中央(愛知)の好投手髙橋大喜地の前に4安打3得点だったが、3回戦の高川学園(山口)戦では15安打9得点、準々決勝の関東第一(東東京)戦では9安打5得点と今年も打力は健在。特に好機での勝負強い打撃が印象的だ。
中でも軸は3番主将の本間律輝、2年生4番田中諒。本間は西東京大会ではチームトップの打率5割、10打点。甲子園では3試合で11打数2安打と今ひとつだが、県岐阜商・藤井潤作監督は「一度、調子に乗らせると本領発揮され、手が付けられないことになる」と最大の警戒を図る。
さらに田中。地方大会でも2本塁打を放ったが、甲子園で低反発バット導入以来初の1大会2本塁打をマークし、大きな注目を集めている。藤井監督も「たとえ本塁打を打たれてもソロにとどめるように、田中君の前に走者をためないようにしたい」と語る。

日大三打線を抑えるキーワードは準々決勝・横浜戦と同様に〝緩急〟。横浜戦では遅れてきた2年生左腕エースの渡辺大雅が、遅い90キロ台のカーブを中心に110キロ台のスライダーを交えながら、120キロ台のストレートをコーナーに投げ込む投球で5回1安打無失点の快投。
藤井監督は「緩いだけでは抑えられない。120キロ台だがストレートをインコース、しかも...