福井県美浜町役場で、町職員(左)に要望書を提出する原告団長の中島孝さん=21日午前

 関西電力による美浜原発(福井県美浜町)での原発新設に向けた地質調査の実施方針を巡り、2011年の東京電力福島第1原発事故後、国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の原告団と弁護団が21日、調査受け入れを表明した美浜町に、撤回を求める要望書を出した。

 原告団などは要望書で、事故から14年以上経過したが、住民の生活状況や農林水産業など経済活動は事故前の水準に回復していないと指摘。「事故以来の痛苦の体験から、原発新設はなされるべきではないとの強い思いを持っている」とした。

 原告団長の中島孝さんらが美浜町役場を訪れ、要望書を提出。町職員は「実情を把握して取り組んでいきたい」と応じた。