【ブリュッセル共同】米国と欧州連合(EU)は21日、7月末に合意した貿易交渉に関する共同声明を発表した。米国がEUからの輸入品の大部分に15%の関税を課すことを盛り込み、自動車や半導体、医薬品にも15%の関税率を適用する。

 現在27・5%の自動車関税は、EUによる米国製品への関税撤廃の動きが具体化すれば、過去にさかのぼって15%の税率を適用するとした。EUは今月1日からの遡及を目指す方針だ。

 EUは、対米貿易黒字の削減に向け、米国から2028年までに液化天然ガス(LNG)など7500億ドル(110兆円)相当のエネルギー製品を購入する。少なくとも400億ドル相当の米国製人工知能(AI)用半導体チップを調達。防衛装備品の調達も「大幅に増やす」とした。

 欧州企業は28年までに6千億ドル相当の対米追加投資を実行する。一方、EUは自動車を含め、米国から輸入する工業製品への関税を撤廃する。

 米EUの貿易交渉は、トランプ米大統領とEUのフォンデアライエン欧州委員長が7月末に英北部スコットランドで合意した。