北九州市で開かれた飲酒運転撲滅の県民大会で話す大上かおりさん=25日午後

 福岡市東区の「海の中道大橋」で2006年、飲酒運転の車に追突されたRVが海に転落し、乗っていた幼い子ども3人が死亡した事故から19年となった25日、飲酒運転撲滅の県民大会が北九州市で開かれた。初めて参加した母親の大上かおりさん(48)は「いつかこの集まりを解散できる日が来たら良い。その時が飲酒運転を撲滅できた時だ」と訴えた。

 大上さんは、事故後に生まれた4人の子どもたちと共に大会に出席。他の飲酒事故の遺族など約300人も参加し、黙とうをささげた。北九州市の高校に通う女子生徒らが「私たちの手の届く範囲で小さな行動を積み重ねることが、未来の命を守ることにつながる」と宣誓した。

 県民大会は、海の中道大橋での事故から10年となった2016年に始まり、毎年行われている。

 福岡市役所でも集会が開かれた。今月、大上さんと面会し、飲酒運転撲滅に向け意見交換した高島宗一郎市長は「(遺族の)悲しみや喪失感が消えることはない。風化させることなく命を守る取り組みを進めていかなければならない」と力を込めた。