北海道の釧路湿原周辺で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を進める「日本エコロジー」(大阪市)が、国の特別天然記念物タンチョウとひなの生息地付近で進めている事業を中止しない旨の見解書を釧路市長や市議、環境省に提出していたことが25日、市側への取材で分かった。
有志の市議21人が15日付で同社に工事の中止を要請したのに対し、同社が20日付の見解書を提出したという。
同社は取材に対し「市議団から正式に事業中止を求められた認識はない」と説明。見解書では、要請が事業中止を求めるものか、環境配慮型の工事を検討するよう求める趣旨かを確認するとともに「適法かつ多大な費用を伴う事業のため、単なる中止要請であれば受け入れは難しい旨を申し上げた」としている。
市議の要請書は、環境省釧路湿原野生生物保護センター付近で事業を進める、日本エコロジーなど2社に提出。工事により希少野生生物の生息環境を消失させる懸念があることや、国の天然記念物オジロワシの生息調査が不十分であることを問題とした。