日本陸連は25日、東京・国立競技場で7月6日に行われた日本選手権の男子400メートル決勝で、佐藤風雅(ミズノ)の失格を取り消し、優勝とすると発表した。佐藤は1着でゴールしたが、レーン侵害で失格と判定されていた。今泉堅貴(内田洋行)は2位に繰り下がった。大会期間を終えて、記録が訂正されるのは異例。日本陸連によると、ルールの解釈に食い違いがあったという。

 ルールではカーブを走る際、内側のラインを2回踏んだり、1回完全に踏み越えたりすると失格になるが、触れるのが1回だけなら失格にはならない。

 日本陸連は、大会当日、1歩完全に踏み越えたとして失格としたが、大会後のミズノ側の問い合わせを受けて事実確認したところ、ジュリー(上訴審判員)への資料の提出に、十分な手続きが取られていなかったと判断し、再考することになった。

 再審議では審判長は「2歩ラインを踏んだこと」に理由を改めた上で失格を維持したが、ジュリーがこの裁定を棄却し、失格を取り消した。