全国のユース世代が語り合った活動の原点と未来 誰もが一歩を踏み出しやすい環境を整え、こどもまんなかアクションを広めていく
こども家庭庁は、「こどもまんなか社会と地域のウェルビーイングを考える『ユースのアクションサミット2025』」を2025年8月8日(金)にこども家庭庁 こどもまんなかひろばにて開催しました。全国のこどもまんなか応援サポーターの中から、各地域でこどもの居場所づくりや学習支援などの活動をしている中学生~20代のユース世代の6団体が参加しました。

こども家庭庁がすすめる「こどもまんなかアクション」では多くの団体・企業・自治体・個人がSNSで活動を発信し、「こどもまんなか応援サポーター」に参加しています。日々の投稿から、こどもや若者たちが地域で主体的かつ多様な活動を行っていることが明らかになっており、現場の声を直接聴き、政策や取組に生かすために本サミットを実施しました。
2024年に続き、2回目の開催となった今回は、こどもたちの健やかな成長と安心して過ごせる社会づくりを目的に、特にウェルビーイング(Well-being)の概念に着目。第1部では各団体による活動発表、第2部では意見交換を行い、活動の背景や課題、広がりについて意見を交わし、世代や地域を超えてつながる貴重な機会となりました。こども家庭庁は、こうしたユース世代や現場の声を今後の政策や取組に反映し、誰もが一歩を踏み出しやすい社会の実現を目指してまいります。
<第1部 6団体(個人)による活動発表>
●アース・ガーディアンズ・ジャパン @大阪府豊中市・三重県菰野町ほか
「アース・ガーディアンズ・ジャパン」では、全国のメンバーと連携し、若者の社会参画をサポートする取組を行っており、行政と若者の間にある意識や情報のギャップを埋め、声を施策に反映させることを目指しています。活動メンバーの地元・三重県菰野町では、町内2つの中学校の生徒会本部出身者を中心に、学校や地域住民から集めた意見を町長や関係部署に直接提案する場を設置。意見を「言う」「聞く」にとどめず、行政と協力して実際の施策に「反映する」ことを重視しています。また、活動の継続性を高めるため、下級生メンバーの育成にも力を入れていると話しました。
●NEW STEP実行委員会 @熊本県菊池市・熊本市

熊本県を拠点に活動する「NEW STEP実行委員会」は、2023年2月22日に高校生を中心に設立されました。「すべての子どもたちに夢をあきらめさせない社会をつくる」ことをミッションに、高校生が中心となって活動しています。高校生が小・中学生を無料で教える学習塾の運営や自然体験、職業体験などを通じ、こどもたちの可能性を広げています。活動を通じて、高校生自身も責任感やリーダーシップを学び、成長できることが魅力と語りました。

●るりあるく @群馬県前橋市
「るりあるく」は、群馬県前橋市を拠点に、こどもたちが安心して過ごせる“学校でも家庭でもない居場所”を提供する団体です。子ども食堂では食事の提供だけでなく、水遊びや調理体験など交流を重視しています。「誰でも気軽に訪れられる地域の居場所にしていきたいですし、子ども食堂=貧困支援という固定観念を変えていきたいです」と今後の活動に向けた想いを語りました。

●とみやっこプレーパーク @宮城県富谷市
宮城県富谷市を拠点に活動する「とみやっこプレーパーク」は、小学生や未就学児が多い地域という特徴から、0歳から100歳まで誰でも自由に過ごせる場をつくっています。誰もがこどもに対して心配になる「危ない」「汚れる」といった制限を極力取り払い、こどもたちが自分でルールをつくることを大切にしています。ごく普通の高校生がボランティア、リーダーを務めていることも特徴で、地域との関わりを通じて人と人との信頼関係を築いています。現在の課題は、高校生ボランティアの継続確保。現メンバーは3年生が中心で、1・2年生の新規参加者が少ないことから、こどもたちが楽しみにする活動を今後も続けるため、新しい担い手の育成に取り組んでいることを明かしました。

●虹の鳥(とやま社会的処方プロジェクト) @富山県富山市
「虹の鳥」は、富山大学の医療系課外活動団体で、小児科訪問サークル「青い鳥」と国際医療研究会「KIK」による合同プロジェクトです。コロナ禍で従来の活動が制限されたことを契機に2021年に発足し、医療系学生を中心に約150名が参加しています。「社会的決定要因(SDH)」や「社会的処方」の視点から地域の健康づくりに貢献することをビジョンに活動し、特にこども向け活動では、廃校を活用した家族参加型運動会や学生が作成したオリジナル教材を使って学生たちが行う性教育、ぬいぐるみを使った医療体験イベントなど、医療を身近に感じられる機会を提供していることを発表しました。

●中学生シンガーソングライター 大祈さん @長野県軽井沢町
自閉症スペクトラムの特性をもつアーティストである中学3年生の大祈さんは、5歳からピアノ、8歳から作曲を開始。自身の原体験から「人の心の薬になる音楽」を作ること目標に掲げ、聴く人の心を動かすオリジナル楽曲制作とライブ活動に取り組んでいます。当日は、地元の友人家族を題材にした楽曲と、自分自身を励ます応援歌「HERO」の2曲を披露し、圧巻のパフォーマンスで会場が一体感につつまれました。

●こども家庭庁 渡辺由美子長官による総括
各団体の発表を受けて、こども家庭庁渡辺長官が感想を述べました。
「皆さんの発表は、心を動かされる瞬間の連続でした。こども家庭庁では、『こどもまんなか』という言葉を掲げていますが、皆さんはまさに “まんなかから発信する人たち” だと感じます。今後は、まだこの取組を知らない人たちにどう伝え、どう巻き込んでいくかをさらに考えていきたいと思います。」

<第2部 意見交換会>
第2部では、第1部の発表を踏まえて、参加者同士で意見交換を行い、「活動のきっかけとハードル」「活動を続けられる理由」「活動の広がり」について議論しました。また、議論の内容をグラフィックレコーディングで記録し、見える化をしました。


多くの参加者は「仲間に誘われた」「面白そうだから試してみた」など、身近なきっかけで活動を始めた一方で、「志が高そう」「特別な人しかできないのでは」と思われてしまい、参加をためらう人がいるという課題も共有されました。これに対しては「背中を押してくれる存在」や「安心して入れる雰囲気づくりが重要」などの意見があがりました。
各団体の活動を継続させていくための議論では、「こどもが好き」という想いに加え、将来の職業目標、社会課題への関心、自分自身の経験など、参加者からは様々な声があがり、共通していたのは「活動を通じて自分も成長でき、仲間との信頼関係が深まること」が継続の原動力になっているという点でした。さらに、「楽しそうに活動している姿が新たな参加者を呼び込む」という意見も多く、義務感ではなく日々の喜びや達成感を大切にする姿勢が持続可能な活動につながるとの共通認識が生まれました。また、地域での「居場所づくり」や「新しい体験の提供が必要」という声もあがりました。




今後の課題としては、まだ「こどもまんなかアクション」の活動を知らない人にどう届けるか、どう巻き込んでいくかという「発信力の強化」が必要であるという声が上がりました。特に、「活動への参加ハードルを下げ、誰もが一歩を踏み出しやすい環境を整えることが重要」との意見に多くの賛同の声が寄せられました。
<議論の内容を見える化したグラフィックレコーディング>


■「ユースのアクションサミット2025」開催概要
日時:2025年8月8日(金)13:30~16:30
会場:こども家庭庁 こどもまんなかひろば
(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング21階)
<プログラム>
13:30~ 開会・こども家庭庁主催あいさつ
13:35~ 第1部:参加各団体活動報告
14:35~ 記念撮影
14:45~ 休憩
15:00~ 第2部:意見交換会「地域における自分たちのチャレンジ」
※グラフィックファシリテーションあり
16:20~ 閉会の挨拶
16:30 終了
登壇者:
・とみやっこプレーパーク(宮城県・富谷市)
・虹の鳥(とやま社会的処方プロジェクト)(富山県・富山市)
・るりあるく(群馬県・前橋市)
・アース・ガーディアンズ・ジャパン(大阪府・豊中市、三重県・菰野町)
・NEW STEP実行委員会(熊本県・菊池市、熊本市)
・中学生シンガーソングライター大祈(長野県・軽井沢町)※演奏・歌唱パフォーマンスあり
■「こどもまんなかアクション」について
こどもまんなかアクションとは、こどもや子育て中の方々が気兼ねなく様々な制度やサービスを利用できるよう、地域社会、企業など様々な場で、年齢、性別を問わず、全ての人がこどもや子育て中の方々を応援する、社会全体の意識改革を後押しする取組です。
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