元硫黄島民の原ヤイ子さん(右手前)、渡部敦子さん(同奥)と懇談される天皇、皇后両陛下=26日午後、栃木県那須町の那須御用邸付属邸

 天皇、皇后両陛下は26日、静養のため、栃木県那須町の那須御用邸付属邸に入られた。戦時中に硫黄島(東京都小笠原村)から疎開し、現在は那須町で暮らす元島民らを御用邸の施設に招き、懇談した。

 渡部敦子さん(95)と原ヤイ子さん(94)で、それぞれの親族が同席した。島で遭った空襲や疎開時の様子を聞き、天皇陛下は「つらい思いをされましたね」といたわり、皇后さまは「よくご無事で」と語りかけた。

 硫黄島の島民は、太平洋戦争の戦況が悪化した1944年、軍属として徴用された約100人を残して本土に強制疎開させられた。

 側近によると、両陛下は元島民が那須町に住んでいることを知り、懇談を希望した。