【ワシントン共同】実業家イーロン・マスク氏が率いる米宇宙企業スペースXは26日午後(日本時間27日午前)、大型宇宙船「スターシップ」を南部テキサス州の拠点施設から打ち上げた。10回目の無人飛行試験で、宇宙船は無事打ち上がり、上空で模擬衛星を放出することに初めて成功。宇宙船は打ち上げから約1時間後、大気圏に再突入して海面に着水した。
スターシップは米主導の国際月探査「アルテミス計画」で、2027年に目指す有人月面着陸に使う宇宙船。マスク氏はXに「スペースXチームの素晴らしい仕事ぶりだ」と投稿した。
模擬衛星は8個放出した。打ち上げに使った大型ロケット「スーパーヘビー」は宇宙船を打ち上げた後、着陸時の姿勢制御などに使うエンジンの性能を確認し、海面に着水させた。通常は打ち上げ拠点に戻って発射台に備えた2本のアームでキャッチする設計。
直近3回の試験では宇宙船が姿勢制御を失って爆発するなどしていずれも失敗。6月には打ち上げ拠点で10回目の無人飛行試験に向けた準備作業中、宇宙船が爆発した。