日本維新の会の石井章参院議員の地元事務所=27日午前、茨城県取手市

 日本維新の会の石井章参院議員に公設秘書給与詐取疑いが浮上したことで、衆参両院で少数となった与党の多数派形成に影響が出る可能性がある。自民党内には政策の近い維新に対し、連立も視野に連携を模索すべきだとの意見もあるが、所属議員らの不祥事が相次ぐ維新のガバナンス(組織統治)の危うさが改めて露呈し「連携にはリスクがある」(自民ベテラン)との声が上がった。

 少数与党にとって、予算案や法案を成立させるためには野党の協力が欠かせない。自民内では立憲民主党や国民民主党との連携も取り沙汰されるものの「石破政権では維新が本命」(閣僚経験者)との見方が根強い。森山裕幹事長や菅義偉副総裁が、維新の国対委員長に復帰した遠藤敬氏ら新執行部と良好な関係を維持するためだ。

 維新を巡っては、2020年に統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、贈賄の疑いが持たれている中国企業からの現金受領を認めた下地幹郎衆院議員を除名。兵庫県知事の疑惑告発文書問題では、所属兵庫県議3人が告発者の私的情報を漏らした問題が発覚した。