太陽光パネルのリサイクル・イメージ
 太陽光パネル

 政府は、使用済み太陽光パネルのリサイクル義務化を断念する方針を固めた。2030年代後半以降に大量のパネルが寿命を迎えて廃棄される見通しのため、義務化を検討してきた。だがリサイクル費用を誰が負担するかの法的な整理がまとまらなかった。関係者が27日明らかにした。義務化の断念に伴い処分場の逼迫や大量の不法投棄につながる懸念がある。政府は代替策を検討するものの、リサイクルが進むかどうかは不透明だ。

 代替策は専門家会議で議論する。リサイクルの実施状況の報告をメガソーラーなどの大規模発電事業者に義務付ける制度の創設を軸に検討する。関連法案を来年の通常国会に提出したい考えだ。

 太陽光パネルの寿命は20〜30年とされる。廃棄量は30年代後半以降に急増し、40年代前半にピークを迎え、年間で最大50万トンに上る見通し。政府は当初、リサイクルを義務付ける法案の国会提出を検討し、製造業者と輸入業者が費用を負担する内容だった。