農林水産省は19日、2025年7月から26年6月までの主食用米の需要量見通しについて、前年実績から横ばいか微減となる697万〜711万トン(玄米ベース)との試算を審議会に示した。一方で生産量は728万〜745万トンを見込み、需要に対し最大48万トン上回る計算となる。政府は今後のコメ供給が潤沢で不足感は解消されると強調し、価格高騰を沈静化させたい考えだ。

 需要量については、人口減少やパン食の広がりなどを理由として需要減を前提としてきた推計を改める。インバウンド消費や家庭の購入量の増加を今回初めて反映させ、前年の需要実績と同程度を見込む。

 25年産米の生産量は、コメ不足を受けた主食用米の作付けが増え、大幅増を見通す。そのため26年6月末時点の民間在庫は198万〜229万トンと異例の規模となりそうだ。コメ価格が下落した15年の226万トンに匹敵する。

 農水省は今年6月までの需要量を24年7月時点で673万トンと見立てていたが、実績は711万トンと大きく外れ、26年6月までの需要見通しは見送っていた。