そう、我、燃え尽きて白い灰になるまで、愛おしき彼らの為に、彼らを見つめ、見逃さず、1人ひとりの今を変えれば、必ず未来が変わる。

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 そこまでやるか!!そこそこやるか、これぞ我が人生の真骨頂!!そんな境地に至った。

~育てるとは、なにか~

 人は育たない。育てようなどと、おこがましいことを考えちゃいけない。出来ることは心を鬼にしてひたすら明るくストレスを与え続けることだ。大抵の若者はそこで転がり落ちて脱落するか、自分には合わないと諦める。そんな中でも一握りの若者が、こんなことしてちゃ自分がダメになると気付く。もがき苦しみなから、自ら立ち上がろうとする。

 気付きは能力なんかじゃない。心の向きだ。少しだけ前向きになった心を持つ。今よりマシな自分を描く。これ位なら出来そうだと希望にすがる。浅はかに失敗し挫折し堂々巡りする。そんなことを幾度も繰り返す。すると、中には失敗にめげない若者が出てくる。意外に早く、あるいは遅まきながら、絶望の縁からノタノタ這い出してくる。

 やがて「理想には遠いけど描いた自分に幾分近いや」と得心する。前向きな気付きが能力に波及し成長を手に入れる。自力で成長を手に入れた若者を見守り、寄り添う…それこそ指導者!!  育てるとはそう呼ばれる人間の役割なのだ。

 【鍛治舎巧(かじしゃ・たくみ)】1951年、揖斐郡大野町生まれ。岐阜商高(現県岐阜商)のエースとして69年選抜ベスト8。早大を経て社会人野球の松下電器(現パナソニック)で選手、監督。全日本コーチも務めた。中学硬式野球では、枚方ボーイズ監督として12年間で12度日本一になった。高校野球はNHK解説者を25年務め、同社役員を退任した2014年春、秀岳館高(熊本)監督に就任し、3季連続甲子園ベスト4。母校監督は18年春から24年8月末まで務め、春夏4度の甲子園に導いた。現在、枚方ボーイズ監督。