職員が被害者の相談に応じる「ぎふ犯罪被害者支援センター」。計画に基づき、市町村との連携を深める=31日午後、岐阜市薮田南

 岐阜県犯罪被害者等支援条例に基づく県の支援計画が、1日から5年間の運用期間に入った。被害者が誹謗(ひぼう)中傷を受けるなどして地域で孤立しないよう県などが市町村と連携するのが特徴で、日常生活を送るために必要な行政支援が受けられるようにする。ぎふ犯罪被害者支援センター(岐阜市)によると、全国で同様の計画策定は進んでいるが、市町村の協力を明文化した計画は少数という。

 計画では、県や県警の職員に加え、支援センターや関係市町村の担当者が集まり、犯罪によって家族を失ったり、傷害を負ったりした人や、事件後の混乱で精神的負担を抱える被害者を支援する。市町村の担当者を交えることで、個々の事情に応じたきめ細かい支援が協議できる。

 警察庁の2017年度の調査によると、暴力犯罪などの被害に遭った本人や家族ら881人の半数以上が、事件後に生活の変化があったと回答。うち複数回答で約3割が学校や仕事をしばらく休んだり辞めたりしたほか、約2割が転居したと答えた。県の担当者は「地域で無責任なうわさを流されるなどの二次的被害で、孤立する犯罪被害者は少なくない」と指摘する。

 県の計画では、一時転居に必要な費用の助成や、臨床心理士の無料カウンセリングなどが支援メニューとして明示された。県環境生活部の山下靖代県民生活課長は「理不尽な被害に遭った人たちに行政が応え、支援の地域間格差をなくしたい」と話した。