一人一人の子どもたちに寄り添った学びを支援する「本巣の学び舎」=本巣市上保

 岐阜県本巣市教育委員会が市内に昨年開設した不登校の児童生徒を支援する教室「本巣の学び舎(や)」が、子どもたちの新たな居場所となっている。新型コロナウイルスの影響もあり不登校の子どもたちが増加傾向にある中、一人一人の子どもたちに寄り添った学びの支援に取り組み、学校への復帰につなげている。

 友人関係や学習の遅れといった学校生活の悩み、家庭の事情のほか、コロナ禍の外出自粛といった環境変化などで、全国的に不登校の児童生徒が増加している。市も同様で、本年度は年間30日以上欠席した児童生徒が59人(昨年12月時点)で、高い水準という。

 こうした中、本巣の学び舎は、社会的な自立や学校復帰を後押ししようと、昨年7月に同市上保の富有柿センターに開設。土日曜・祝日を除く午前9時30分から午後3時まで利用できる。現在、小学1年から中学3年までの12人が在籍している。

 「無理をしなくていい」と教室の方針を話すのは不登校対策指導員の浅野ゆみさん(63)。ここでは時間割に縛られることなく、通う時間や曜日を子どもたちが自由に決める。自分が学習したいことや、読書といった取り組みたいことを尊重した「マイプラン学習」も導入し、一人一人に応じた学びも実践。異年齢の子どもたちが触れ合う交流の場にもなっている。

 センター内の施設「数学ワンダーランド」では、教具を使って算数や数学を学び、隣接の広場ではバドミントンをする。楽しみながら学習をしたり、運動や体験をしたりする機会を積極的に取り入れている。

 これらの支援もあり、6人が徐々に学校に復帰。利用する児童は「家にいるより勉強ができる。こんな場があるとうれしい」と笑顔を見せる。浅野さんは「一人一人のペースを尊重している。学びたいがどうしたらいいだろうと悩んでいる子どもたちの手助けになりたい」と語る。

 これまで不登校の子どもたちを支援する教室「たんぽぽ」が、市役所真正分庁舎に設置されているが、カウンセリングなどが中心で、学習支援が課題だった。学び舎の開設で、子どもたちの心と学びの両面から支援できる体制が整った。川治秀輝教育長は「たんぽぽと学び舎の両輪で支援し、児童生徒が心の扉を開けて学び舎に足を運び、社会的自立に向けて歩み出してほしい」と話す。