【キーウ、ウィーン共同】ロシアが占拠するウクライナ南部のザポリージャ原発で全ての外部電源が失われて30日で1週間となった。ロシアのウクライナ侵攻開始以来、外部電源喪失の期間として最長で、懸念が高まっている。原子炉6基は冷温停止状態で、冷却には電力が必要。非常用発電機で対応中だが、復旧が遅れ発電機の燃料が尽きれば危機的状況に陥りかねない。
欧州最大のザポリージャ原発は23日に外部電源が喪失した。侵攻開始以来、外部電源喪失は10回目だ。ロシアはウクライナ軍が給電設備を攻撃したと非難し、ウクライナもロシアの軍事行動の結果だと批判。原発周辺の施設は繰り返し攻撃の対象になっており、原発本体が巻き込まれて事故が起きる危険性が指摘されている。
国際原子力機関(IAEA)によると、非常用ディーゼル発電機の燃料は10日分以上あり、追加供給も可能。グロッシ事務局長は「(ロシア、ウクライナ)双方と連絡を取り、早期復旧を促している」と述べた。
環境保護団体グリーンピース・ウクライナは「最も重大で深刻な展開だ」と指摘。