ダンスする男性舞踏団「公狗劇場」のメンバーにスマホを向ける女性客=7月、中国上海市(共同)

 景気低迷により節約志向が強まる中国で、美容や旅行など自身にお金を使う女性の消費動向が注目されている。「女性経済(ウーマンエコノミー)」と呼ばれる市場の規模は年間10兆元(約200兆円)を超えたとの推計も。習近平指導部は少子化を食い止めようと結婚・出産奨励に躍起になっているが、自立した女性たちはどこ吹く風だ。

 「キャー」「イケメン!」。中国最大の経済都市、上海の老舗劇場で行われた男性舞踏団「公狗劇場」の公演。男性ダンサーが素肌に羽織ったジャケットを脱ぎ捨てると、客席の女性たちから大歓声が上がった。

 鍛えた肉体を駆使したセクシーなダンスが売りで、16歳以下は原則入場禁止。写真撮影やサイン会など徹底したファンサービスが人気に拍車をかけ、1月の初演から国内100都市余りで約340公演を達成。創設者の葛俊逸さん(32)は「観客が自分を解放し、楽しめる舞台を目指している」と話す。

 女性経済の担い手は「一人っ子政策」下で育った20〜40代の女性。高等教育を受けて経済的に自立し、男性との給与格差も縮小した。