2025年夏の甲子園ベスト4の礎を築いた県岐阜商前監督の鍛治舎巧さん。「No.1への道」と題し、アマチュア球界の第1人者である名将がチームづくり、選手育成、戦略・戦術のすべてをあますところなく公開する。
第1節 入学期
(1)指導内容
入学時は個人差も大きい。大切なことは、1人ひとりが、自分にもできたという事実を積み上げること。
そのために、ハードルを低くし、ゲーム感覚の練習方法を多く取り入れ、成功体験を積ませる中で、選手同士で認め合える雰囲気をチーム内に築き上げることが大切だ。
選手がお互いを認め励ますようになるには、何より指導者自身が、選手の小さな成長を見逃さず、認め、励ますことが大事。その指導者の姿勢が選手に響く。細かく教え過ぎず、出来たことは即座に褒め上げよう。褒める声が飛び交うチームには、活気が漲り、集中力が増すから、練習効率も上がる。
①学ぶ態度(人間性)を育てる。この時期は、選手として完成させるのではなく、選手が伸びていくための土台作りをすることが先決である。
そのためには、正しい技術や基本的な戦術を指導すると同時に、練習や試合に挑む態度・姿勢・心構え・フェアプレーの精神といった心理的な要素を教え、育むことが重要となる。
伸びる選手を育てるためには、選手が夢に向かって自分で考え、判断できる能力を培い、自ら設定した課題に一生懸命取り組む姿勢を養うことが必要である。
②この時期の選手にとって、出来ないこと・やらないことは、彼らが分からないこと、知らないことであるという認識でいた方が良い。
野球を好きにさせることを優先させ、選手たちが、出来ない・やらない時に、すぐに叱るのはタブーだ。
同時に、...




