入院患者にも楽器の演奏や会話を楽しんでもらおう。白血病により21歳で亡くなったチェロ奏者山本栞路さんの両親が防音室を千葉大病院(千葉市)に寄贈した。長い入院中、チェロが弾けず「病院に防音室を作る活動がしたい」と語っていた栞路さんの遺志を継いだ両親は「患者さんが心を和らげ、心身の健康を取り戻せる場所になってほしい」と願う。
防音室は床面積約5平方メートルで、ナースコールやエアコンを備える。長期入院患者が多い病棟のラウンジに設置された。10月6日に運用を始め、1日3人ほどが楽器演奏や音楽鑑賞を楽しむ。
10月7日にお披露目会があり、栞路さんのチェロを持参した父昭夫さん(58)は「温かく落ち着いた雰囲気で息子も気に入ってくれると思う」。母昌代さん(57)は「声を出して泣いたり、思い切り笑ったりして自分を解放できる場所になれば」と話した。
千葉大病院によると、病院内に防音室が設置されるのは全国的に珍しい。容体急変を覚知しづらい点が障壁になっていたが、カメラで室内を確認するといった対策を取り、実現させた。










