【ニューヨーク共同】米西部オレゴン州の連邦地裁は7日、トランプ大統領が治安維持を名目に命じた州最大都市ポートランドへの州兵の派遣は、法的要件を満たしていないとして、認めないとする判決を下した。米メディアが伝えた。派遣に反対するオレゴン州とポートランド市が提訴し、同地裁は10月に一時差し止めを命じていた。

 政権側はポートランドで移民・税関捜査局(ICE)の取り締まりに抗議するデモが激化し、治安が悪化していると主張して派遣を正当化していた。

 地裁は、小規模な抗議活動が法執行を著しく阻害した証拠はないと指摘。政権側が反乱または反乱の危険が存在することや、通常の治安部隊では法執行が不可能であることを立証できていないと判断した。

 政権は、ポートランドのほかに中西部イリノイ州の最大都市シカゴなど、野党民主党の首長がいる自治体の犯罪対策が不十分だとして州兵らの派遣を推進。州や市は法廷闘争で対抗し、対立が深まっている。