国立劇場の早期開場を求める要望書を、松本文科相(右から2人目)に手渡す人間国宝の片岡仁左衛門さん。左端は中村歌六さん、右端は中村梅玉さん=25日午前、文科省

 歌舞伎役者で人間国宝の片岡仁左衛門さん、中村梅玉さん、中村歌六さんらが25日、文部科学省を訪れ、老朽化のため2023年に閉場した国立劇場(東京都千代田区)の早期開場を求める要望書と署名を松本洋平文科相に手渡した。文化庁などが今年9月に見直した整備計画によると、再開場の目標時期は8年後の33年度となっている。

 要望書は日本俳優協会と伝統歌舞伎保存会の連名。劇場での俳優養成や研修などによって歌舞伎が継承されてきたとした上で、研修結果を発表するホームグラウンドがなく、損失は計り知れないと強調した。役者など歌舞伎関係者らの署名2千筆超も提出した。