マウスの気道にワクチンを投与し、粘膜の免疫を高めて肺炎球菌の感染を防ぐことに成功したと、東北大の佐藤光助教が国際科学誌に発表した。チームは研究を進め人が吸入で接種できる肺炎球菌ワクチンの開発につなげたいとしている。

 肺炎球菌は肺炎や中耳炎、髄膜炎などを引き起こす細菌の一種。

 チームは肺炎球菌のタイプにかかわらず、細菌が共通して表面の膜に持っているタンパク質「PspA」とワクチン効果を高める物質を結合。マウスの気道に投与すると、気道粘膜や全身の血液中に抗体ができた。肺炎球菌を感染させると、4日後に接種していないマウスは死んだが、接種したマウスの生存率は100%だった。