新鵜匠としての抱負を語る山下晃正さん=岐阜市役所

 岐阜市の長良川鵜飼で、50年間、宮内庁式部職鵜匠を務めた山下純司さん(83)の引退に伴い、新鵜匠になった長男晃正(てるまさ)さん(52)が11日、市役所を訪れ、柴橋正直市長に抱負を語った。5月11日の鵜飼開きでのデビューについて「自分はまだまだ若輩者。鵜を第一に考えてきた父を見習って腕を磨きたい」と話し、伝統を受け継ぐ決意を示した。

 晃正さんは大学在学中の1988年から、中鵜使いや中乗りを務めた。96年から鵜匠補として、約30年、父純司さんを横で支えてきた。「自分はまだまだ下手」と謙遜しつつも、「鵜の健康管理を含めて、父のように鵜と心を通い合わせられるように頑張りたい」と意気込む。

 2020年から2年間、体調が優れない純司さんに代わって、漁を続けた。コロナ禍で中止日数が多く、余裕のある日程だったが、今年は例年通りに実施される予定。10月15日の閉幕までの157日間、1日の休みを除き、ほぼ毎日漁へ繰り出す。「まずはワンシーズン乗り越えること。体力面でも成長したい」と語った。

 市役所に同行した鵜匠代表の杉山雅彦さん(61)は「試行錯誤を繰り返すのが鵜匠の宿命。周囲を見ながら一番いい方法をやっていく。積極的に頑張ってほしい」とエールを送った。

 鵜匠は鵜飼漁だけでなく、漁の前に観客に対して鵜飼を説明する役割も担う。晃正さんは「観客に満足してもらうことが一番大切。不安はあるが、精いっぱい頑張る」と誓った。