2025年夏の甲子園ベスト4の礎を築いた県岐阜商前監督の鍛治舎巧さん。「No.1への道」と題し、アマチュア球界の第1人者である名将がチームづくり、選手育成、戦略・戦術のすべてをあますところなく公開する。
第3節 習熟期(3年)
3 ピークパフォーマンスを目指したメンタルトレーニング
(3)集中力を高める=前編=
◇集中力とは何か
野球はある意味、危険なスポーツだ。コンマ何秒という単位で硬球が飛び交い、クロスプレーでは、時に身体のコンタクトもある。少しでも気を抜けば危険が待ち受けてもいる。従って選手の動きがピリっとしないと、「集中しろ!」と激を飛ばすことが多い。
集中力をはっきりと定義づけるのは難しい。あえて言えば「ある一定期間、ある特定のことがらに注意や意欲を傾け、それに向かって一生懸命顔晴り、効率を高め、好成績をだす心理的な機能ないし能力」。
一般的には、以上のようなことになる。とはいえ、なりふりかまわず一生懸命というのは、集中力とは少し違う。
パナソニック監督時代、試合のない12月から2月のオフシーズンに、その集中力を高める研究、トレーニングに、それこそ集中した時期がある。
●…千里の脳波研究所に学んだ『適度の集中の仕方』…●
当時、大阪府千里中央に脳波の研究所があった。脳波とは、脳の神経細胞が活動する際に発生する微弱な電気信号だが、常に変動し、アルファ波(リラックス時・適度の集中時)、ベータ波(興奮時)、シータ波(眠気)、デルタ波(深い眠り)に分かれる。
最も集中出来る状態はアルファ波(リラックス時・適度の集中時)が流れている時、中でもミッドアルファ波が流れている時だ。
それを意図的に流せるようにするトレーニングを試みた。当時としては相当、時代の先を行く研究・トレーニングだった。
①先ずは深層心理テスト・それに基づくドクターによる個人面談が行われ、受講生の人と成りをあぶり出すことから始まった。
②次に医療用テスターを頭部に何本も取り付け、真っ暗なボックスの中で長座する。
③耳を澄ますと、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、遠くで汽笛が鳴る音…数種類の音が繰り返し聞こえてくる。
④10数分の検査が終わると、その間流れていた脳波が、円グラフで、色分けされて表示される。
結果、スタッフで言えば、...








