少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は、中津川工業高校(中津川市)の田並正校長(57)です。同校の眼下では、リニア中央新幹線の駅建設工事が進んでいます。リニア効果による地域の飛躍的発展を見据え、製造・建設の現場を支える人材を輩出する同校への期待も高まっています。地元企業の手厚い協力も得ながら、確かな技術と豊かな人間性を兼ね備えた人材育成に力を入れています。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

リニア中央新幹線の駅建設予定地の間近に立つ中津川工業高校=中津川市千旦林
 中津川工業高校 所在地は中津川市千旦林。1944年開校の県立全日制工業高校。電気工学科、機械工学科群(機械工学科・電子機械工学科)、建設工学科群(建築工学科・土木工学科)があり、1学年の定員は160人。

 ―特色・校風は。

 昨年80周年を迎えた工業高校で、将来の「ものづくりのスペシャリスト」を育てることを目指している。これまでに1万人以上の卒業生を、地元をはじめ県内外の企業に送り出してきた。

 校訓は「誠実信頼」。工業の学びは就職後も続く終わりのない世界で、ある意味、高校卒業がスタートとも言える。専門知識や技能の習得はもちろん、日々の授業を通してどのように学ぶのかを考え、誠実に学ぶ姿勢を培うことを大切にしている。

 卒業後は多くの生徒が就職するため、信頼される社会人としての人間性を身に付けることも重要。その点、本校の生徒たちは特別な指導をしなくても、習慣としてあいさつができている。近年は特に、コミュニケーション能力が重視されるため、授業の中でも人の考えを読み取る要素を意識的に入れるなどの工夫を行っている。

 
 たなみ・ただし 中津川市出身。東濃フロンティア高、中津川工業高で教頭を務め、2025年度から現職。教科は英語。

 本年度、校長に着任して以来、資格を積極的に取得することを呼び掛けている。今は景気が良く、就職も売り手市場となっているが、今後、世の中はどう動くか分からない。転職したり、独立したりする子もいるだろう。どんな状況でも、技術力の客観的な証明である資格を持っていることは強みとなる...