「今月も・・・ウフフッ。そして、来月も・・・ンフフフッ。」

 実際、「ウフフッ」とも「ンフフフッ」とも、そんな笑い方をされる方はそんなにはいらっしゃらないと思いますが、ともかくご想像いただきたいのです。
 うれしくてしょうがないのよ、私、という感じの手放しの喜びようを。

 それは筆者にとって、とても衝撃的な出来事だったのです。

 あれは、2007年、筆者が銀行へ転職して約3年が経った頃のことです。
 当時、筆者は、銀行支店の営業員とともにお客さまのお宅へ訪問して、いろいろなお話をお聞かせいただいていました。
 冒頭のお客さまは、資産運用のご相談をいただいていたNさんなのですが、2~3ヵ月前から投資信託を保有いただいていて、その経過報告も兼ねての訪問でした。

 保有されていた投資信託は、主に先進国の国債に分散投資する、為替変動リスクのある商品で、信託財産が5兆円を超えたという、まさに当時、投資信託のブームを牽引していた商品です。
 その背景としては、銀行の投資信託窓口販売が1998年に解禁されて約10年が経過し、投資家の裾野が拡大したことが挙げられるかと思います。
 それまでの証券業界は、永らく投資信託を販売商品の中心に据えることができずにいて、信託財産もせいぜい1000億円を超えると巨大ファンドと言われたり、ある大手証券が2000年頃に1兆円ファンドを立ち上げたのが大きく話題になったりする程度でしたが、それがなんと、よもやの5兆円!だったのです。

◆なぜそんなに支持が得られたのか
 その商品が、5兆円まで信託財産を積み上げるに至った主な要因を、筆者目線で挙げてみたいと思います。
 その1 株式に比べて比較的ブレ(リスク)が小さいとされる債券を投資対象としており、当時の銀行窓販の顧客層のニーズにマッチした
 その2 国内金利が未曽有の低金利であったのに対して、先進国国債の金利が比較的高く、為替変動リスク(円高による目減り)を緩和していた
 その3 毎月、銀行金利を大きく上回る、安定的な収益分配金が支払われていた
 このなかで、もっとも投資家の、特に退職者層の琴線に触れたのは、「その3」でした。

 冒頭のNさんが、喜んでいらっしゃったのは、まさにこのことだったのです。
 購入時の基準価額を下回った時には、「元本の払い戻し」に相当する特別分配金として、つまり当初元本を取り崩した金額の受け取りとなるのですが、そんな仕組みは理解したうえで、です。...