~南海トラフに関するBCP「策定済み」は5割超も、対応に「自信がない」は約4割~
製造業向けにサプライチェーンリスク管理サービスを提供する株式会社Spectee(東京都千代田区、代表取締役CEO:村上建治郎、以下「Spectee」)は、東海地区(愛知・岐阜・静岡・三重)の自動車関連製造業に勤務する経営層およびサプライチェーンマネジメント業務の担当者(合計105名)を対象に、「サプライチェーン・リスク管理に関する実態調査」を実施しました。
自動車産業は多くの部品・部材を広範なサプライヤー網に依存しており、自然災害や事故、地政学リスクによる供給の途絶が生産ラインに直接影響を及ぼしやすい構造にあります。特に東海地区は自動車関連産業の集積地であると同時に、今後30年以内に高い確率での発生が想定される南海トラフ地震の影響を大きく受ける地域でもあります。
本調査は、こうした東海地区の自動車関連製造業における取引先サプライヤーの被災状況の把握体制や、南海トラフ地震を見据えた事業継続計画(BCP)の整備状況、自社サプライチェーンの可視化・リスク管理のDX化の進捗といった実態を明らかにするものです。
【調査結果トピックス】
●約5割が、サプライヤーを起因とした生産ラインの支障を経験。8割超が何らかの影響を経験
●5割超がサプライヤーの被災状況の把握に「2~3日以上」を要すると回答。理由は「個別連絡」「サプライヤーからの報告待ち」
●南海トラフ地震を想定したBCP、5割超は「策定済み」と回答するも、4割が対応に「自信がない」
●8割がサプライチェーンの「複雑化・多層化」を実感し、3割弱が「あまり/全く把握できていない」と回答
●サプライチェーン・リスク管理の専用システム導入はわずか2割弱、障壁はコストより「人員不足」
【調査概要】
調査名称:サプライチェーン・リスク管理に関する実態調査
調査方法:インターネット調査(調査会社:株式会社マクロミル)
調査期間:2026年7月17日(金)~7月25日(土)
調査対象者:自動車関連の取引があり、従業員51人以上の企業に勤務し、経営層またはサプライチェーンマネジメント業務に関与する、東海地区(愛知県・岐阜県・静岡県・三重県)在住の105人(経営層・役員23人、マネジメント層41人、メンバー41人)
【調査結果】
■自動車関連製造業の約5割が、サプライヤー起因で生産ラインに支障。8割超は何らかの影響を経験

「自然災害・事故・地政学リスク(例:能登半島地震、工場火災や浸水、ホルムズ海峡の封鎖等)により、取引先サプライヤーの供給が停止・遅延し、自社の生産ラインに支障が出た経験はありますか」と質問したところ、47.6%が「生産ラインに支障が出た」と回答しました。支障が出たと回答した方の内訳をみると、「数日間」が20.0%、「1週間程度」が8.6%、「2週間以上」が19.0%となり、なかには長期にわたり生産に影響が及んだケースもあることが分かりました。また、「影響はあったが、生産への支障はなかった」との回答も35.2%にのぼり、両者を合わせると全体の8割超が何らかの形でサプライヤーを起因とした影響を受けていたことが明らかになりました。
■被災状況の把握に「2日以上」を要するとの回答が5割、背景には個別連絡や把握体制の不足


自然災害等の発生時、取引先サプライヤーの被災状況を把握するまでにかかる時間を尋ねたところ、54.3%が「2~3日以上」の時間を要すると回答しました。内訳をみると、「2~3日以内」が31.4%と最多で、「4~6日以内」が10.5%、「1週間以上」との回答も12.4%にのぼりました。「半日~1日以内」で把握できたとの回答まで含めると、把握に半日以上を要した方は全体で81.0%に達しています。
時間がかかる理由(複数回答)としては、『サプライヤーへの個別連絡に時間がかかるから(44.8%)』が最多となり、次いで『サプライヤー側からの報告を待つしかないから(34.3%)』、『Tier2・3以降の拠点情報を把握していないから(24.8%)』が続きました。サプライヤーとの一次的な連絡網はあっても、サプライチェーンの深層(Tier2以降)まで見通す仕組みは十分に整っていない実態がうかがえます。「サプライヤー側からの報告を待つしかない(34.3%)」という回答が示すとおり、多くの企業が被災状況の把握を自社発信ではなくサプライヤー任せの受け身な体制に頼っており、これが把握までの時間を押し上げる一因になっていると考えられます。
■南海トラフ地震を想定したBCP、「策定済み」は5割超

今後30年以内にM8~M9クラスの発生が想定される南海トラフ地震について、「サプライチェーンの代替調達・事業継続計画があるか」を尋ねたところ、「計画があり、1年ごとに見直している」が31.4%、「計画はあるが形式的なものにとどまっている」が22.9%となり、これらを合わせると"策定済み"は54.3%にのぼりました。一方で、"策定済み"のうち約4割は内容が形式的なものにとどまっており、「現在策定中」の21.0%、「計画はない」の18.1%と合わせると、備えの実効性にはなお課題が残る状況です。
■南海トラフ発生時、「十分に対応できる自信がある」は7%

Q4で計画があると回答した方(57名)に対し、「実際に南海トラフ地震が発生した場合、その計画通りに対応できると思うか」を尋ねたところ、「十分対応できる自信がある」と回答したのは7.0%にとどまりました。最多は「ある程度は対応できると思う」で52.6%を占め、多くの企業が"一定の自信"は持っているものの、"完全に対応できる"と言い切れる企業はごくわずかという実態が浮かびます。一方で「あまり自信はない」「まったく自信がない」の合計も36.9%にのぼり、計画があっても実効性に不安を抱える企業が一定数存在することが分かります。
■8割超がサプライチェーンの「複雑化・多層化」を実感

自社のサプライチェーンが、以前と比べて複雑化・多層化していると感じるかを尋ねたところ、「強くそう感じる」「ややそう感じる」の合計は82.9%にのぼりました。取引構造が広がる一方で、実際の管理がそれに追いついているかが次の論点となります。
■自社のサプライチェーンを「十分把握できている」は1割強、「あまり/全く把握できていない」も26.7%

自社のサプライチェーンをどの程度把握できていると感じるかを尋ねたところ、「十分把握できている」は11.4%にとどまりました。最多は「ある程度把握できている」で58.1%と過半数を占め、大半が"ある程度の把握感"を持っている実態がうかがえます。一方で、「あまり把握できていない」「全く把握できていない」の合計も26.7%にのぼり、Q6で見た複雑化の実感と合わせると、サプライチェーンの広がりに対して"十分な"可視化までは追いついていない企業が一定数存在することが分かります。
■サプライチェーンリスク管理は「業界団体・行政のガイドライン」に基づく取り組みが最多

サプライチェーンリスク管理の取り組みが主にどのような形で進んでいるかを尋ねたところ(複数回答)、『業界団体・行政のガイドラインをもとに制度とマニュアルを策定し、動いている(48.6%)』が最も多く、次いで『自社主導で担当者の指示のもと取り組んでいる(32.4%)』、『他社の取り組みを参考にしている(26.7%)』、『完成車メーカー・親会社からの要求・指示をもとに突発的に動いている(24.8%)』が続きました。業界団体・行政が示す共通基準を軸にしながら、各社が自社の体制に合わせて取り組んでいる様子がうかがえます。
■サプライチェーンリスク管理のDX化は道半ば、障壁は「人員不足」と「コスト」


サプライチェーンリスク管理のDX化の状況について尋ねたところ、「専用システム・ツールを導入し活用している」と回答したのは17.1%にとどまりました。「必要性は感じるが着手できていない」との回答も30.5%にのぼり、必要性を感じつつも着手できていない企業が多いことがうかがえます。
DX化を進める上での障壁(複数回答)としては、『運用できる人員が足りない(45.7%)』が『導入コストが高い(40.0%)』を上回り、最多となりました。予算の確保以上に、システムを実際に運用できる人材の不足が大きな壁になっている実態がうかがえ、単なる投資判断だけでは解決しきれない課題であることが浮き彫りになっています。
■ Spectee 代表取締役 CEO 村上 建治郎コメント
今回の調査で最も重く受け止めたのは、南海トラフ地震を想定したBCPを「策定済み」と回答した方が5割を超える一方、計画どおり十分対応できる自信があると答えた方は7.0%にとどまった点です。計画はあっても、それを本当に実行できるのか。そうした不安を抱える企業は少なくないと感じています。
実際、被災状況の把握に半日以上を要すると回答した方は8割にのぼりました。さらに、DX化の障壁が「コスト」以上に「人員不足」であった点も示唆的です。サプライチェーンを守るうえで、人手に頼った対応はすでに限界を迎えています。
『Spectee SCR』は、AIが世界中のリスクをリアルタイムに検知し、Tier2以降を含む全体像と重ね合わせることで、被災した拠点と影響が及ぶ製品を即座に特定します。危機の発生をいち早くとらえ、的確な判断につなげる。Specteeが培ってきた技術とノウハウで、日本のものづくりを支えてまいります。
■ 『Spectee SCR』について

『Spectee SCR』は、Specteeが培ってきたリスク情報解析技術と、グローバルに広がる製造業の多層的なサプライチェーンを可視化するAI技術を組み合わせた、次世代型サプライチェーン・リスク管理クラウドです。サプライヤーのつながりや取り扱う製品・部品情報、物流ルートなど、サプライチェーンの全体像を把握しながら、危機の発生をリアルタイムに検知し、「被害を受けたサプライヤーの拠点はどこか」「影響が及ぶ製品・部品は何か」を迅速に把握できます。予測や影響分析を通じて、製造業が不確実な時代を乗り越えるための“意思決定の基盤”となることを目指しています。
公式ページ:https://spectee.co.jp/service/specteescr/
■株式会社Spectee(スペクティ)について
Specteeは、レジリエンス領域において世界トップクラスのプラットフォームを提供するスタートアップです。「危機を可視化する」をミッションに、世界中の多様なデータをAIで24時間リアルタイムに解析し、リスクの可視化と被害予測を通じてレジリエントな社会の実現を目指しています。防災やBCP対応、サプライチェーン・リスク管理を目的に導入が進み、民間企業・自治体・官公庁において採用数No.1を誇ります。(日本能率協会総合研究所調べ/2025年調査時点)
<会社概要>
本社:〒102-0076 東京都千代田区五番町 12-3 五番町YSビル
代表者:代表取締役 CEO 村上 建治郎
公式サイト:https://spectee.co.jp
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