伝統行事「精霊流し」で、精霊船を引き長崎市内を練り歩く人たち=15日午後

 初盆を迎えた故人の霊を船に乗せ、西方浄土に送り出す長崎県の伝統行事「精霊流し」が15日、県内各地で行われた。長崎市では悪霊をはらうという爆竹や、かねをたたく音が鳴り響く中、遺族らが思い思いに飾り付けた精霊船と共に街を練り歩き、亡き人をしのんだ。

 船は屋形船のような形で、遺影やちょうちん、故人にまつわる品などが飾り付けられた。全長10メートル近いものもあり、台車に載せたり担いだりして終着点の「流し場」に向かう。長崎県警によると、申請が必要な2メートル以上の船は、14日午後4時時点で県内610隻だという。

 昨年7月に亡くなった父の船を運ぶ長崎市の会社員船津幸輔さん(50)のもとには神戸市や福岡市から親戚や友人が20人以上駆けつけた。「悲しみは癒えないが、皆で笑って送り出したい」と話した。