奈良県が募集を始めた、特定の文化財を選べる個人向けふるさと納税の寄付ページ(さとふる提供)

 奈良県が、特定の文化財を選んで寄付できる個人向けふるさと納税の募集を24日に始めた。クラウドファンディング型で、興福寺五重塔の修理(目標1億2100万円)や法隆寺金堂などの防災施設改修(同5千万円)といった寄付先が9月下旬にかけて順次オープン。物価高で修理費用などの負担が増しており、支援につなげたい考えだ。

 文化財の保存、活用事業では、国や県が補助金を出した上で、所有者の寺社などが残りを負担している。近年、資材や労務単価の高騰で事業費が増加。修理費を調達できない例もあるという。

 これまで奈良県では、ふるさと納税をした人が「文化財保存活用分野」を使途に選ぶことはできたが、文化財を個別に指定できなかった。今回の制度で特定の文化財を応援しようとする人の希望が反映されやすくなった。

 石上神宮の太刀や春日大社の神事日記といった美術工芸品の保存修理も対象で、計37件への寄付が仲介サイト「さとふる」で可能となる予定だ。集まった寄付金の5%は事務手数料などに充て、残りを県の補助金に上乗せする。返礼品はない。