原発事故時に避難指示対象外の住民が車で自主的に逃げると大規模な渋滞を招き避難時間が延び、屋内退避よりも放射線の被ばく線量が増えるとの試算を、環境コンサルタント会社の研究チームが30日までにまとめた。国の原子力災害対策指針は原発の半径5〜30キロ圏内は自宅など屋内退避を要求。だが従わずに自発的に逃げる「影の避難」によって、本来避難対象である5キロ圏内の住民の円滑な移動を妨げることも懸念されている。
日本エヌ・ユー・エス(東京)のチームは、国内の原発で事故が起きたと想定し、5〜30キロ圏内の住民が自家用車で自主避難する割合を0〜90%に段階的に変化させるシミュレーションを実施。30キロ圏外に出るまでの時間などから、住民一人一人の被ばく線量を足し合わせた集団線量を推定し、1週間屋内退避した場合と比較した。
10%以下では渋滞は発生せず、30%を超えると避難の遅れが目立ち始めた。70%以上では放射性物質放出の3時間前に自主避難を始めても、渋滞の影響を受けて被ばく線量が屋内退避時を上回るケースがあった。






