町家のシェアハウスで共同生活している3人=岐阜市靭屋町、おかって

 金華山麓の旧岐阜町にある岐阜市靭屋(うつぼや)町の築130年の古民家シェアハウスで、10~20代の男性3人が建物を改装し、5月から共同生活を始めた。古民家は湿気や室温など環境面で不便さはあるが、市外出身の3人は「町が気に入り、あえて不自由さに立ち向かう魅力を感じた」と語る。歴史風情が残りながらも人口の減少が続く地域で、若者たちが新しい生活スタイルに挑戦している。

 3人は、恵那市出身で広告代理店に勤める根崎怜司さん(24)、昨年東京から移住し、建築事務所で働く羽根田雄仁さん(28)、三重県四日市市出身で今年岐阜大に入学した多田陸人さん(18)。「勝手に何かが集まってくるような、観光とは違った裏の入り口にしたい」との思いを込めて「おかって」と名付けて暮らしている。

 住み始めた経緯は三者三様。4年前から住んでいる根崎さんは、社会人になってからも継続。羽根田さんはコロナ禍で東京よりも地方で働く魅力を感じて岐阜を選び、仕事の縁で古民家を紹介されて入居を決断。多田さんは下宿先を探していたところ、指導を受ける教授から薦められて5月から住んでいる。

 夏の湿気や冬の冷え込みなど不便な点も多いというが、耐震補強をしたり、棚を取り付けたりして、少しでも環境が良くなるように知恵を絞って改装。建築事務所で設計の仕事をしている羽根田さんは「今残っているものを生かしながら、魅力ある建物にしていくのは仕事にもつながる部分がある」と話す。

 住み始めた経緯や生活リズムは異なる3人だが、町の魅力を感じている点は共通点。共有のリビングに集まり、町を良くしていく方法を語り合ったり、プライベートな話をしたりして、盛り上がっているという。多田さんは「自分たちがいずれ出ていったとしても、また次の若い人たちが住んでくれるような場所にしていきたい」と話す。