ウェブセミナーで中小企業経営者に概要を説明する三宅勇生岐阜中署交通1課長=5月23日、岐阜市吉野町、大同生命保険岐阜支社
携行タイプのアルコール検知器の一例(画像の一部を加工しています)

 飲酒運転の根絶を目指し今春から一定数以上の車を業務で使用している企業・事業所に、運転前後の従業員に対する目視などでのアルコールチェックが義務化された。10月からはチェック時にアルコール検知器を使うことが義務付けられることになっており、岐阜県警は義務化の周知とともに、早めの準備を呼びかけている。

 義務化は、昨年6月に千葉県八街市で起きた下校中の小学生5人が飲酒運転の大型トラックにはねられて死傷した事故を受けた国の対応。これまで顧客の依頼を受けて有償で荷物を運んでいる「緑ナンバー」の車両を使う事業者に対しては貨物自動車運送事業法に基づき検知器による検査が義務化されていたが、事故を起こした大型トラックは自社の業務のために荷物を運ぶ「白ナンバー」の車両を使っている事業者で、アルコール検知器での検査は義務付けられていなかった。

 国は今年4月、道交法の施行規則を一部改正。白ナンバーの車両を5台以上かマイクロバスなど定員11人以上の車1台以上を使用している事業所に対し、各社で選任されている「安全運転管理者」が運転前後の従業員の酒気帯びの有無について目視などで確認することと、記録を1年間保存することが義務付けられた。

 岐阜県警によると、県内で対象となるのは約7500事業所。アルコールチェックなどを行っていないと判明し、安全運転が確保されていないと認められる場合、県公安委員会が安全運転管理者の解任を命じることもあるという。

 さらに周知期間を経て、10月からは目視ではなく、アルコール検知器を使った検査が義務付けられる。県警には事業所から「どんな検知器を使えばよいか」「対面での確認が難しい場合はどうすればいいか」との質問が多数寄せられている。千葉県のアルコール検知器製造大手によると、同法の施行規則の改正や半導体不足などが起因し、全国的に在庫が乏しくなりつつあるという。製品は「携行タイプ」と「据え置き型」などがあり、価格帯は千円から50万円まで多岐にわたる。

 岐阜県警は対象の事業所に飲酒検査を日常化するよう広報活動や指導などを行っている。5月23日には岐阜中署が、大同生命保険岐阜支社(岐阜市)による中小企業経営者を対象にしたウェブセミナーに参加。三宅勇生交通1課長が道交法の施行規則の一部改正について概要を説明し、対面の確認が難しい時には、電話やテレビ電話などを使い、対面と同様の方法で確認することなどを伝えた。

 三宅課長は「10月に向けて早めの準備を行い、飲酒運転をなくしてほしい」と呼びかけた。