まず困ったのは視界の悪さだ。木々がうっそうと茂っており、すぐに山頂も登山口も見えなくなった。ほぼ正午にも関わらず薄暗く、山頂に近づくと一気に傾斜がきつくなった。生い茂った草木とアップダウンで感覚を狂わされる。およそ1時間で山頂にたどりついたが、体感ではさらに長く思えた。
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山頂まであと半分の地点で、迷いそうになり肝を冷やした。ここは地図上ではただの一本道だが、実際は3本の分かれ道になっている。直進すると権現山、左に下山する道と右に岐阜市大洞へ向かう道がある。生い茂った木々とふさがれた視界のため、動画を撮るために一回転しただけで、どちらに進むべきか分からなくなってしまった。
ジメジメしていた道中とは打って変わり、山頂はからりと乾いた風が吹き抜けていた。日陰のあるベンチも用意されていて、しっかりと体を休めることができた。雲が出ていなければ北東側は御嶽山まで見渡すことができるという。半日で行って帰ってこられるコースにしては本格的な登山が楽しめ、達成感があった。
権現山山頂。乾いた風が吹き抜け、素晴らしい景色が楽しめた
一番迷いやすいのは帰り道
最も迷いやすいとされるポイントは帰路にあるが、すでに誰かが対策を施していた。YAMAPに投稿された写真では、丁字路の道沿いに高さ約20センチの「桐谷坂」の看板がある。ヤマップによると、山頂から下りて桐谷坂に向かうには右折しなくてはならず、誤って直進してしまう人が多かった。「道を間違えました。右に行きましょう。左は行き止まりです」といった投稿が残されている。
これが10日の時点では、間違ったルートをふさぐように看板が移動させられていたのだ。各務原市などに問い合わせても、動かした人は分からなかった。道迷いを心配した登山者の行動のようだ。ちなみに間違った道を進んだ場合、50メートルほど進んだところで見晴らしのよい岩場に突き当たる。足元にさえ気を付ければ絶景が楽しめる。

間違えた道を選ぶとたどり着く岩場
下山ルートなのに上り坂?
最後の道迷いポイントは、帰路にある分かれ道だ。写真右の上り坂が正しい道で、左は間違い。下山中なのだが、ここに至るまで長い上り坂を歩いてきたので「やっと下り坂だ」と感じてしまった。決して上りと下りだけで判断せず、しっかり地図で確認することが必要だろう。
登り慣れている人には「迷いやすい山」という認識はほとんどないようだ。帰路ですれちがった各務原市の男性(73)にヤマップの指摘を伝えると「そんなはずはないけど」と困惑されてしまった。男性は健康のため一帯の山々をほぼ毎日歩いているという。「迷っても大きな道にたどり付けるので気にしたことはなかったが、初めての人は確かに迷うかもしれない」と話した。
山頂方面へ歩く男性。慣れた低山でも完全装備だ









