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遭難ゼロも「対策用意」登山マップ一新へ

 登って感じたことを各務原市に伝えた。やはりここでも、迷いやすい山という認識はなかった。観光課の担当者は「普段着で登れる山、ということだったので驚いた」と話す。一方で「過去に遭難例はなく緊急性は低いと考えているが、何かあってからでは遅い。注目が集まったことをきっかけに、何か対策を話し合いたい」としている。

 各務原市と関市、加茂郡坂祝町は合同で登山マップを作るという。これまで各務原市域の表示しかなかった地図をベースに、さらに広域を表示する。地図上の登山道に番号を割り振り、遭難発生時に要救助者の位置をわかりやすくする。

 

低山だからこそ油断大敵

 新型コロナウイルス禍で登山を楽しむ人が増える中、低山での遭難は大きな問題になっている。警察庁の発表によると、2021年の遭難者3075人のうち、最も多い41・5%の原因が道迷いだった。また岐阜県警の発表によれば、同年の93件の遭難のうち54件が、主要山系ではない比較的低い山で発生していた。原因別で見ても、道迷いが全体の28%で最も多かった。

 ヤマップ広報の上間秀美さんは「密集を避けるため低山に行く人が増えている。看板などを整備する人がおらず、道が荒れて不明瞭になりがち。低山だからという油断や準備不足もあり、遭難が起きやすい状況にある」と注意喚起する。ヤマップによると、2021年に道迷いしやすい登山道を発表した後、各地で対策が取られ、同じ場所での道迷いはなくなったという。

 迷った先で見つけた見晴らしのよい岩場のように、偶然の出会いも登山の面白さの一つだが、初心者が安全に帰ってこられるのが一番だ。慣れた人では分からない道迷いのきっかけが、ビッグデータの助けで一つずつなくなっていってほしい。

 

取材記者

 
 

稲木悠司(いなぎ・ゆうじ)2017年岐阜新聞社入社。遊軍、ひだ高山総局、飛騨支局を経て本社デジタル報道部。山深い地域で取材を重ねるうちに登山が好きになった。ライチョウを見つけるのが得意。