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プラズマで新薬目指す、抗がん活性解明へ 岐阜薬大と名大研究センターが協定



協定書に署名した原英彰学長(左)と堀勝センター長=9日午後、岐阜市大学西、岐阜薬科大本部キャンパス
協定書に署名した原英彰学長(左)と堀勝センター長=9日午後、岐阜市大学西、岐阜薬科大本部キャンパス

 岐阜薬科大は9日、名古屋大低温プラズマ科学研究センターと、プラズマ技術を利用した創薬や人材交流に関する連携協力協定を結んだ。電子やイオンなどの集合体であるプラズマは、がん細胞に照射すると死滅する効果が確認されているが、プラズマの薬は国内外にない。両者が協力して研究を進め、世界初のプラズマ技術を応用した新薬の開発を目指す。

 プラズマは抗がん剤として利用することが可能となっているが、抗がん活性を示すメカニズムは不明な点が多い。協定では薬学的な観点から、抗がん活性を解明するとした。また、プラズマのエネルギーを抑え、医薬品として有機合成する方法を探り、薬を体内の目的の場所まで効率よく届けるシステム「ドラッグデリバリー」への応用に向けた研究も推進する。

 岐阜薬科大はプラズマと薬学を結びつけた研究の草分け的な存在で、1980年代から複数の研究者がプラズマや薬学、医療に関する研究を進めてきた。

 名古屋大低温プラズマ科学研究センターは、物質科学やバイオシステム科学など4部門で、約90人が研究に取り組む。国内29カ所の共同研究機関と世界20カ所のプラズマ研究機関と学術研究提携している。薬学系の研究機関と協定を結ぶのは、岐阜薬科大が初めて。

 岐阜市大学西の岐阜薬科大本部キャンパスで締結式が行われた。原英彰学長は「プラズマ研究は本学にもベースはあり、あらゆる分野で連携し業績を残したい」と述べ、堀勝センター長は「創薬の起源を持つ美濃の地で、世界をリードする研究を担いたい」と力を込めた。

【プラズマ】

 分子の温度が上昇し、原子核を回っている電子が剥ぎ取られてイオンと電子に分かれて高速で不規則に運動している状態。非常に大きなエネルギーを持ち、固体、液体、気体に次ぐ「物質の第4の状態」とされる。大気圧で安定して生成させた低温プラズマは、医療分野で止血や傷の治癒、がん治療に応用できる可能性もあるとして注目されている。農業や工学の分野でも利用する研究が進んでいる。

カテゴリ: 医療 科学