北海道で地震発生を知らせる岐阜新聞の号外=9月6日昼頃発行
西日本豪雨の状況を伝える新聞各紙を掲示。1976年9月の豪雨水害の記録写真も紹介=山県市高富、高富中学校

 まさか1週間に二つも災害が起きるとは。

 台風21号の「空港閉鎖、5000人孤立」「猛烈な風 県内無残」。そして、北海道胆振(いぶり)東部地震。「激震 大地を一変」「道内 一瞬で暗闇」。新聞記事の見出し、写真からその被害の様子を知ることができます。

 みなさんの学校には、こうした新聞記事をもとに話し合う機会はありましたか。

 私の学校では、一人の生徒が主体的に掲示をしてくれています。刻々と明らかになる被害の様子に心を痛めながらも、真実を伝えなければという思いで生徒が続けてくれました。

 西日本豪雨の新聞記事を校内の掲示板に、日付順に1面を張りました。私は、西日本豪雨の新聞記事の掲示してあるところの隣に、「その時私たちの町も水の中にあった」と題字をつけ、写真と解説を加えて壁新聞を制作しました。岐阜県でも1976年9月、豪雨水害がありました。長良川の堤防が決壊しました。義父の遺品の中に、当時の高富地区の水害の様子の写真が多数ありました。堤防付近の泥水につかった家の写真、流れてきた丸太をしばっていかだをつくり買い出しにいく男性たち。そうした写真を何枚か張りました。解説を書くに当たっては、義母に尋ねました。

 「ここの写真ってあの交差点のとこだよね。この家の屋根って通学路のとこじゃない」と、見ながら話す子もいました。

 台風21号では、停電を経験した人も多いと思います。その時、どんな工夫をして生活をしたか、どう思ったかをまとめたり話したりするとよいと思います。実際の写真や体験談は、新聞記事と合わせて伝えることで、より子どもたちの学びを深くします。

 地方新聞は、その地域に根ざした情報を伝え、災害についても詳しく載せます。しかし、自分の住んでいる場所については、地域の方々が知るところです。今回の北海道の地震では、「山崩壊、集落襲う」のように、山側の被害が衝撃的でした。西日本豪雨では、県内でも河川の氾濫、浸水がありました。

 各学校で、住んでいる地域の災害マップを基に、地域の方に協力を求めて、防災について考える機会をつくっていきましょう。先生方は、時間をつくって防災について、子どもたちが生の声で話せる機会をつくりましょう。