松井徹会長(前列左から2人目)も参加した昨年の審査風景=2017年12月15日、岐阜新聞本社
かべ新聞のレイアウト例

◆ルール守り読みやすく

 新聞は、何のために作るのでしょうか。

 小学校4年の教科書に、「新聞を作ろう」と題した教材(きょうざい)があります。そこには、「新聞は、さまざまなじょうほうを、多くの人に知らせる目的(もくてき)で作られます」と書かれています。つまり、新聞を作るとき、相手や目的に応(おう)じて調べたことなどが伝(つた)わるように、さまざまな工夫(くふう)をすることが大切になります。

 見出しを付けたり、写真・絵・図・表などを使って伝わりやすいよう、工夫をします。特(とく)に、新聞は、パンフレットやリーフレットとは違(ちが)って、「割(わ)り付(つ)け」をすることが伝わりやすくするための大切な工夫になります。

 昨年の「第2回かべ新聞コンクール」で優秀(ゆうしゅう)な成績(せいせき)を収(おさ)められた作品は、全てこの「割り付け」の工夫がされていました。

 「割り付け」の工夫がしてある新聞は、一目で記事のまとまりがわかり、読みやすい新聞となります。したがって、多くの人に伝わりやすい新聞となるのです。

 また、記事の下書きをし、「割り付け」を考える段階(だんかい)で、グループの人と話し合うと、とても楽しい活動となります。いちばん伝えたい記事はどの記事か、誰(だれ)がどの記事を担当(たんとう)するのか、見出しや、写真・図・表などの大きさやどこに配置(はいち)するのかを話し合うと、とても楽しく活動ができます。

 実際(じっさい)の新聞を「割り付け」という観点(かんてん)でその組み立てを見てみると、一つの大切なルールがあることがわかります。

 実際の新聞は、どの面もだいたい、8段前後で構成(こうせい)されています。一つの記事のまとまりで目線を右から左に送っていき、他の記事の仕切りや、写真・図・表などでぶつかると、下の段へ目線を落とし、記事を読んでいくことになります。

 逆(ぎゃく)に考えると、目線を右から左に送っていったとき、他の記事の仕切りや、写真・図・表にぶつからず、左はしまで記事が書かれていることはないというルールになります。

 このルールはとてもよく、読みやすさや記事のまとまりの把握(はあく)のしやすさにつながり、「伝わり」やすさの大切な工夫となります。

 ところが、このルールを知らずに新聞作りをしてしまうことがあります。パンフレットやリーフレットにはない新聞だけのルールなので、見落としがちですが、「伝える」という目的を考えると、とても大切なルールです。

 「第3回かべ新聞コンクール」に出品されるかべ新聞が、このルールに沿(そ)って作成され、応募者(おうぼしゃ)の皆(みな)さんの知らせたいことを考えての取材から、伝わりやすい工夫を盛(も)り込(こ)んだ力作が多数、集まることを期待しています。