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絵本の中の料理が給食に 関市・板取小で「図書給食」

食と本への興味を促す



  • 絵本に出てくるやきそばをメニューに取り入れた給食を味わう児童=関市板取、板取小学校 
  • これまでに実施した図書給食を一覧にしたポスター 

 絵本に出てくる料理が給食に-。関市板取の板取小学校では月に1回、絵本と給食をコラボレーションさせた「図書給食」が行われている。児童は絵本の中の世界が再現される喜びを感じるとともに「こんな料理も食べてみたい」とイメージを膨らませ、これまでとは違った角度で本に親しんでいる。

 2月の図書給食は絵本「やきそばばんばん」に出てくる「焼きそば」。児童18人はランチルームに集まり、野菜や肉が入った具だくさん焼きそばを味わった。事前に児童が絵本を紹介する動画を収録。当日は、ランチルームの前で放映し、本も置き、本への興味を促している。

 図書給食は3年前、「絵本から給食が飛び出したら面白い。食と本の両方に興味が持てるのでは」と栄養職員の提案で始まった。これまでに「ぐりとぐらとすみれちゃん」に出てくるかぼちゃドーナツ、「おふろおばけ」のにくまん、「しろくまちゃんのホットケーキ」のホットケーキ、「おしりたんてい」のスイートポテトなど、定番絵本や人気絵本のメニューを再現。1月は特別に、人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の登場人物が好きなメニューを取り入れた給食も企画された。

 企画を実現できるのは、自校で給食を作る環境があるためで、同校は市内で唯一、調理室を併設。教員と栄養職員が密に連携を図る。

 ただ、苦労も多い。本の料理にはレシピがないし、試作をするための時間が必要。さらに、学校給食には食品衛生法との兼ね合いで調理法、食材、予算に制限があることから、アイデアと手間の両方が求められる。それでも栄養職員の坪井伸子さんは「子どもたちの夢が形になることに協力したい。大人になった時も思い出してもらえたらうれしい」とやりがいを語る。

 本年度は、児童のリクエストを受けて献立を考え、可能な限り対応してきた。「ものすごくおおきなプリンのうえで」に出てくるプリンを提案した5年の伊藤瑠南さん(11)は「夢が形になって、とてもわくわくした。毎月とても楽しみ」と笑顔を見せた。

 毎月の図書給食のメニューの一覧は、ランチルーム内で掲示。図書室の壁にも、給食に採用された料理の写真や感想を紹介する。

 図書館の担当教諭によると、児童が図書給食に出た絵本を手に取ったり、リクエストのために料理が出てくる絵本を探したりする姿も見られるという。

 2019、20年度の美濃地区学校図書館教育推進事業の推進校に指定され、図書給食の取り組みもあって本年度優秀賞を受賞した。川出尚文校長は「小規模校だからこそできる取り組みを大切にしたい」と話す。