将棋の高田明浩四段のこれまでを父浩史さんがつづる連載。今回は番外編として、高田四段から読者にプレゼントが届きました。今後も連載を重ねる中で、提供されるとのことです。

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 「この連載、何回くらい続くの?」

 連載の第3回が掲載された7月13日、息子が私に尋ねました。私が「40回くらいの予定だよ」と答えると、息子は「そんなに続くの。すごいね。岐阜新聞の人が頑張ってくれてるんやね」と答えました。そして、「そんなに続くんやったら、自分も何か協力するわ」と、おもむろに筆ペンと落款を取り出し、「読者の人に喜んでもらえるといいな」と、色紙を書き始めました。

 2人で話すうち、「連載の内容に合わせて、揮毫(きごう)する言葉をいろいろと変えるのもいいね」ということになり、息子は、さまざまな揮毫の言葉を考えて、楽しそうに書いていました。

 息子の成長の歩みや性格に合った言葉を2人で選びましたので、読者の皆様にも楽しんでいただけると、うれしく思います。

 瀬古写真館で撮影された、(左から)高田乃理子さん、明浩さん、浩史さんの家族写真

 今回の連載では、毎回、たくさんの友人や知人からメッセージをいただいており、大変励みになっています。その中でも、特にうれしいのが、岐阜新聞に息子の記事が掲載されるたび、朝早くに届く、瀬古安明さん(瀬古写真館前社長)からのLINE(ライン)です。

 私が瀬古さんと出会ったのは、16年前です。当時、私は、全国の写真館が主催するエッセーコンテストに応募して入賞しました。その副賞が、家族写真の撮影でした。その頃、岐阜市に住んでいた私たちは、写真館のリストから瀬古写真館を選び、伺うことにしました。瀬古さんは、まるで映画のワンシーンの撮影のように、丁寧に私たちを撮影してくださいました。そのとき撮影された写真は、出版された書籍の巻頭を飾り、チラシにも大きく掲載されました。

 写真は今も、私の宝物です。自宅の壁に飾っている、雰囲気の違う2枚の写真を見るたび、私は、妻と息子との3人家族で良かったな、瀬古さんと出会えて良かったなと感じます。

 今回、息子が、誰に言われたわけでもなく、純粋に、読者の方に喜んでもらいたいという気持ちから、たくさんの色紙を書いたことには、正直、驚きました。発育が遅く、心配事ばかりだった息子が、そんなふうに優しい気持ちを持てるようになったことに、胸が熱くなりました。

 息子は成人した今も、生活習慣や時間管理など、まだまだ心配の絶えない子ですが、瀬古さんのように、他人の幸せをわが事のように喜べる人に育ってくれるといいなと感じています。

(「文聞分」主宰・高田浩史)

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 高田四段直筆の色紙を読者5人にプレゼントします。希望者ははがきに住所、名前、年齢、電話番号を明記し、〒500-8577、岐阜市今小町10、岐阜新聞社「楽笑」プレゼント係へ。31日必着。当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。