昭和に迷い込んだ心地がした。JR岐阜駅から北へ徒歩数分。退廃した建物が密集する区画がある。繊維問屋街だ。シャッターが目立ち、駅前とは思えない静けさ。商いを続ける店舗がぽつぽつと残り、ハンガーラックが顔をのぞかせる。
大量生産・販売への転換に合成繊維への移行、物流の変化。立地の優位性は失われ、建物の老朽化も相まって人は離れた。再開発で数年後には一角にツインタワーが建つ。駅前の風景は、また変わろうとしている。
問屋街を見下ろす。さびたトタン屋根はかさぶたを思わせた。それは、岐阜の戦後復興を支え、傷を癒やしてきた繊維業の過去と現在を伝えているようだった。









