けん玉、こま回し、お手玉、ヨーヨーなどの昔遊び。紙飛行機、泥団子、押し花、砂絵、木製パチンコなどの工作。オセロ、ウノ、トランプ、「マンカラ」などのボードゲーム。卓球、相撲、野球などの体を動かす遊び。息子が小学生になると、私はさまざまな遊びや工作を一緒に楽しみました。

 けん玉やこま回し、紙飛行機、お手玉は、私の教室の子どもたちと一緒に大会をして、楽しみながら競いました。

 木で作るパチンコ台は、3年生まで、夏休みのたびに作りました。「みんなが、僕の作ったパチンコで遊びたがる」と喜んでいた姿を覚えています。

入学式で記念撮影をする明浩さんと浩史さん=各務原市鵜沼大伊木町、陵南小学校

 オセロについては、息子は学校で「オセロ名人」と呼ばれていました。私も、カードゲームは強い方ですが、息子には、オセロもウノも神経衰弱も、すぐ勝てなくなりました。自宅の机を並べての卓球は、いつも長くラリーが続く大熱戦となりました。毎日のように相撲をしていたことも、懐かしい思い出です。

 さまざまな遊びの中でも、息子がとりわけ熱心に取り組んだのは、けん玉です。大皿に始まって、小皿、中皿、剣先と、一つずつできるようになる過程が楽しかったようです。「コンコン」とリズミカルに玉を移動させる「もしかめ」という技は、できるようになるまで、地道な努力が必要です。教室の子どもたちは、数カ月、毎日練習すると上手にできるようになりますが、息子もそんな感じでした。

 それだけの期間、毎日練習することは、大人でも大変なことです。コツコツ努力してできるようになった経験は、息子に「どんなことも、努力すればできるようになる」ことを実感させたように感じます。その後は、お手玉、おはじき、フラフープなど、どんなこともコツコツ練習し、人一倍上手にできるようになりました。

 息子は、中高生になっても、けん玉だけは好んでやっていました。そして、日本一周や世界一周など、難易度の高い技もできるようになりました。「けん玉棋士」というネーミングは、本人も気に入っているようです。

 息子といろいろな昔遊びをしたことは、楽しい思い出です。今もときどき、けん玉や卓球、野球盤、エアーホッケーなどをします。これからも、息子と一緒に遊ぶ機会があるといいなと思います。

(「文聞分」主宰・高田浩史)