まだ空が白む前の午前5時47分。始発前の静寂を切り裂いて、長い貨物列車が美濃赤坂駅へと入構してきた。先頭の電気機関車を切り離し、ディーゼル機関車に付け替える。向かうは金生山の麓、乙女坂駅だ。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」全長約1・3キロの日本一短い貨物路線。警笛を時折鳴らし、古くからの住宅がひしめく間を窮屈そうに進む。
乙女坂駅に着くと、線路脇からベルトコンベヤーが伸びてきた。最大24両の貨物車に計1200トンもの石灰石を積載する。2両ごとに積んでは車両を動かし、2時間かけて満たす。朝日が貨車をまぶしく照らし始めた。
石灰石は製鉄に必須の副原料。製鉄所へ毎日、大量に届けるには鉄路輸送が不可欠だ。「産業を支えていたと言えば誇らしいね」。70歳まで機関士を務めた青木孝夫さん(80)は振り返る。「金を生む山」と言われる金生山は「金属を生むための山」でもあった。
◆memo
金生山から産出する良質な石灰石を輸送するため、1927(昭和2)年に設立。翌年、美濃赤坂駅を起点に市橋駅間と昼飯駅間が開業した。現在は市橋線の一部で1日3往復を運行。JR、名古屋臨海鉄道を経て、愛知県東海市の製鉄所に運ばれる。
















