スイミング、合唱団、囲碁教室、スポ少の野球。息子が低学年のときにしていた習い事です。

 スイミングは、最初は、市民プールの水泳教室に参加していました。しばらくすると、送迎バスでスイミングスクールへ通うようになり、高学年まで続けました。

 合唱団は合わなかったようで、すぐに辞めました。地域の囲碁教室には親子で楽しく参加しましたが、その後、はまることはありませんでした。

 スポ少の野球は、2年生のときに始めました。「お父さん、公園に練習しに行こう」と言われ、早朝や夕方、公園で一緒に練習することもよくありました。

タイガースの応援をする(右から)高田浩史さん、明浩さん、祖母初美さん=2010年5月、兵庫県の阪神甲子園球場

 息子は就学前から、公園でのボール遊びが好きでした。阪神タイガースが大好きで、ナゴヤドームでよく試合を観戦しました。甲子園や大阪ドームにも、何度か足を運びました。家族3人でタイガースのシャツを着て、メガホンをたたき、大声で応援したことも、懐かしい思い出です。

 息子は、鳥谷敬選手の移籍により、ロッテマリーンズファンになりました。私も鳥谷選手のファンでしたので、大好きな選手が息子と一緒だと知り、うれしく感じたことを覚えています。

 習い事のことで記憶に残っているのは、息子の意志の強さです。習い事の中には、いったん始めると、なかなか辞めさせてもらえないものが、よくあります。私の生徒にも、始めた習い事が好きでなくなっても、先生や親にはっきり「辞めたい」と言えず、ずるずると続けてしまう子が、しばしばいます。

 しかし、息子は違いました。やりたくない習い事は、親にはもちろん、先生にもはっきり、「辞めたいです」と言い、スパッと辞めました。一方、好きな習い事は、自ら、積極的に練習していました。

 私の生徒には、作文やピアノ、吹奏楽、将棋、写真、絵画など、大きなコンクールや大会で活躍する、一芸に秀でた子がたくさんいます。そんな子たちに共通しているのは、好きな事に集中して取り組み、習い事がないときも、自ら進んで練習していたことです。

 幼いときにいろいろなことを体験し、自分の好きなものを見つけた後は、それに集中して、とことん取り組む。そうすることで、その子の才能が開花し、人生が開けていくように感じています。

(「文聞分」主宰・高田浩史)